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雨風しのいで♪建物よろず物語

雨風しのいで♪建物よろず物語

配筋検査ポイント

鉄筋のかぶり厚は建物の寿命を左右しますっ!

鉄筋のかぶり厚は建築基準法施行令第79条に既定されています。
これは「設計かぶり厚」といわれ現場ではJASS5の既定にもありますが施工誤差を考慮して「設計かぶり厚+10mm」が一般的です。

では鉄筋をなにから守るために「かぶり厚」が必要なのでしょう・・

鉄筋の錆は酸性でコンクリートはアルカリ性という特性があります。
つまりコンクリート内で鉄筋の錆は中和されるので錆が進行しない状態にあるわけですが経年によりコンクリートの表面が劣化しアルカリ成分が奪われると中性化が進行します・・
かぶりが薄いと直ぐに中性化が鉄筋に影響して錆を進行させ膨張。コンクリートを押しのけようとする力が働き爆裂現象を引き起こします。つまり建物の寿命を縮めてしまうのです。
そのため、土に接する基礎部分なんかは条件が厳しいのでかぶり厚を厚く設定しているわけです。

(火災で鉄筋温度が上昇し降伏点が1/2になる状態(600℃)まで1時間から2時間もたせる意味もあると言われています。)

以外に盲点、結束線もかぶり厚を意識しましょう

マナーのある鉄筋屋さんはキッチリやってくれますが、本来2本でするところ、たまに結束線を4~5本束ねた太い結束を見かけます・・これはコンクリート打設する際、障害になる可能性があります・・その周りに空洞ができやすくなります。また結束したあと鉄筋側に軽く折り込むのですが、これもたまに結束しっぱなしで型枠についた状態になっていることがあります。

結束線が導火線!?

コンクリートを流し込む際にうまく中に入ればいいのですが表面に残ってしまうと将来にわたって劣化を促進させる原因になります。コンクリートの表面は以外にモロイ為、中性化の症状が早く現れ、結束線をつたって時間をかけ徐々に錆を呼び込んでしまいます・・見かけたら折り込みましょう。

かぶり厚が足りなかったら・・

モルタルでカバーすることがありますが不安な方は含浸系(しみ込むタイプ)の中性化抑制剤をコンクリート面に塗布した上で仕上げることをお勧めします。明らかにコンクリートの骨材(砕石)が通らないくらい、かぶり厚がなければ断面修復が必要です。

建築は機械と違って誤差が1cmと言うことがよくあります。ちょっとした配慮が精度を上げて建物を延命かさせます。

大切な資産・・末永く使っていたいですよねd(^^)!




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